FX投資家のためのオーストラリア経済・金融の見方

高金利通貨ながら流動性も十分「オーストラリアドル円」

金利を得ながら中長期保有ができる

 

オーストラリア経済は好調続くが海外の波乱には要注意。オーストラリア(以下「豪州」)は、鉄鋼や石炭などの鉱物資源にも、小麦などの食糧資源にも恵まれた資源大国だ。「豪州の一番の貿易相手国は多資源消費国の中国です。リーマンショック後、先進国で最初に利上げができたのも、中国の資源需要があってこそ。資源価格高騰によるインフレ懸念は、豪州経済や豪ドルにとってはプラス材料です」。
オーストラリア大陸の風景

 

豪州の経済状況についてこラ説明する。豪ドルついては、「基本的には金利が上がる傾向にあるので、買いから入って、スワップ金利を得ながら、中長期で保有ができる。初心者でも取引がしやすい通貨ペアだと言えます」(同)と評価する。ただし、「春先は調整する局面もある」との見方も。「欧州では昨年、洪水があり、その被害の影響で今年第1四半期は、GDP伸び率が押し下げられる可能性があります。その発表がある4月頃までは、試練の時。ですがその後は、徐々に上がっていくでしょう」(同)

 

見るべき指標は上海総合指数の動同。中国の景気が悪化し、資源需要が減ることが、欧州経済にとって最大のリスクだからだ。「中国の景気がよければ、豪ドルの右肩上がひも続く。一時的に下げた時は買いです」

 

(通貨ペアの特徴)直近6か月間は上昇。オーストラリアドル円の買いポジションが人気。
(こんな方におすすめ)金利(スワップ)を狙ってトレードしたい中長期派向け。

FX投資家のためのオーストラリア経済・金融の見方

オーストラリアの経済動向

 

オーストラリア連邦は、769万平方km(日本の約20倍)という世界第6位の広大な面積を領有しながら、人口規模では世界第49イ立(2012万人)、GDP規模では世界第13位13億米ドル)にランクされる中規模国家である(人口・経済データはいずれも世界銀行「Quick Reference Tables (2004年版)J)。1人当たりGNIは2万6900米ドルで世界第24位。先進国のなかではやや下位に位置する。

 

豪州といえば、鉄鉱石や石炭、アルミニウムをはじめとする鉱産物、小麦、羊毛、肉牛、乳製品などの農産物のイメージが強い。しかし2004/05年度(04年7月〜05年6月)における総付加価値の構成比をみると、サービス業部門と製造業部門がそれぞれ71.4%と11.6%を占める一方、鉱業部門と農業部門は4.5%と3.1%を占めるにすぎない。なおサービス業のなかでは不動産業と金融・保険業の比率が高いが、後者では寡占化か進んでおり、とりわけ銀行部門については、Commonwealth Bank ofAustralia (CBA)、National Australia Bank (NAB)、Westpac Banking Corporation(Westpac)、Australia & New Zealand Banking Group (ANZ)からなる4大銀行グループが総資産全体の約7割を占める構図となっている。

 

もっとも、豪州の品目別輸出構成をみると、一般的なイメージに違わず、鉱産物が約4割を、農林水産物が約2割を占める構造となっている。そのため豪州経済は、1次産品市況や気象条件に左右されやすい傾向がある。実際、同国の実質GDP成長率は、大干ばつに見舞われた82/83年度、1次産品価格が低迷した90/91年度にはマイナス成長を記録した。また、豪州通貨の豪ドル(通称「オージー(Aussie)」)相場と金属価格の連動性が高いことも、その証左といえる。

オーストラリアの経済成長の推移と中央銀行が行う金融政策

1990年代後半以降の豪州経済の推移を辿ると、2003年04年度に至るまで、シドニー・オリンピックの反動があった00/01年度を除き、4%前後の堅調な成長が続いた。だが、04年後半以降については、豪ドル高に伴う輸出の鈍化や民間消費の落ち込みから、2〜3%台の成長率での推移となっている。

 

豪州の金融市場に関してだが、1911年創設のオーストラリア連邦銀行(Commonwealth Bank of Australia)を前身とする「オーストラリア準備銀行」(RBA、Reserve Bank of Australia)が「1959年準備銀行法」(Reserve Bank Act 1959)のもと、中央銀行として金融政策の決定および遂行の責任を負っている。

 

RBAの最高意思決定機関は「準備銀行理事会(Reserve Bank Board)」である。同理事会は同法10条により金融政策の決定権限を与えられるとともに、通貨の安定、完全雇用の維持、国民の経済的繁栄・幸福に寄与することが義務づけられている。理事会は総裁1名、副総裁1名、財務次官1名のほか、財務大臣の指名を受けた6名の外部理事の計9名からなる。総裁および副総裁の任期は7年、外部理事の任期は5年であるが、いずれも再任力'^可能である。理事会会合は1月を除く毎月1回、第1火曜日に開催され、議事は多数決によって決定される(結果公表は翌剛。なおRBAは自らの経済情勢に関する判断および見通しについて、四半期ごと(2、5、8、11月の各上旬)に出される「金融政策報告(statement on MonetaryPolicy)」のなかで公表している。

 

金融政策と政策金利に関しては、RBAの金融政策手段は公開市場操作のみである。「キャッシュ・レート(CashRate)」が誘導目標の対象金利であり、誘導目標自体は「キャッシュ・レート・ターゲット(Cash Rate Target)」と呼ばれる。RBAは公開市場操作にあたり、インフレの抑制を金融政策の一義的な中期目標として位置づけたうえで、1993年以降、インフレ・ターゲット政策を採用している。その背景には、RBAが85年にマネタリー・ターゲット政策を放棄した後に導入した「裁量的金融政策」の失敗に対する反省があった。

 

もっとも政府がインフレ・ターゲット政策の実施を正式に承認したのは、財務大臣とRBA総裁が「金融政策の遂行に関する声明書(Statement on the Conduct ofMonetary Policy)」を結んだ96年のことである。以降、消費者物価指数(CPI)の対前年比上昇率を中期的な景気循環において平均2 〜3 %に抑えることが金融政策の目標となっている。なお、現行の政策根拠は、2003年に締結された「第2次金融政策の遂行に関する声明書」である。

 

オーストラリアドルの為替レートと金利推移に関して解説しているサイト

 

豪ドル円(AUG/JPY)の為替レートと金利推移

 

オーストラリアドルの外国為替相場のレートと金利に関する情報

オーストラリア金融市場ではオンバランス、オフバランスともに高度に発展した金融市場をもつ。うち最短期市場であるコール市場には、銀行およびその他の金融機関のほか、州政府や大企業も参加するが、通常、取引は短資会社やマーチャントバンクを介して行われる。オーストラリアドルの取引期間は30日物までが一般的である。